2兆9千億円を削減(第83回2009年10月24日)

8月総選挙における民主党の圧勝を受けて9月16日に発足した鳩山由紀夫内閣は、初動に成功を収めていると言ってよいでしょう。まず第一に、連日報道される首相、大臣、副大臣の言動を見ても、「自民党時代とは変わった!」と評価して下さる方が大半です。記者会見でも大臣が自分の言葉で語り、官僚のあからさまな手助けを必要としていない姿を「感動的」と言って下さった方もあります。(私は、見えないところで官僚が助力、協力していることは知っていますし、それでよいのです)

民主党政権と自民党政権の大きな違いの一つは、各省の副大臣、政務官がチームとなって政策決定、意思決定を主導していることです。自民党政権では副大臣や政務官(旧・政務次官)は「お飾り」とか「お荷物」と揶揄される程度の存在でしたが、鳩山内閣の副大臣たちは各省の「政策会議」を主催し、専門分野の与党議員たちを束ねて、政策を決定していく中心的な存在になっています。

 1ヵ月で無駄をカット―補正予算の執行停止

いくら顔ぶれがよくても、仕事が進まないなら何もなりません。しかし鳩山内閣は、発足後最初の1ヵ月で既に大きな実績を残しました。今となっては自民党政権の最末期となった6月に、やっつけ仕事で悪名も高い補正予算を成立させましたが、その総額14兆6千億円の内から不要・不急の無駄を精査し2兆9千億円あまりを指摘して執行を停止しました。「アニメの殿堂の117億円」や、「官庁公用車の買い換え588億円」、「テレビの地デジ化70億円」などがその対象となったのは(選挙中に私が街頭で訴えたことでもあり)、当然の結果です。それにしても民主党出身の政務三役(大臣・副大臣・政務官)の努力の賜物とはいえ、2兆9千億円が削れたこと自体、自民党時代には無駄づかいが、いかに横行していたかを物語っています。

初動は順調とはいっても、これから更に困難な課題に取り組んでいきます。前原誠司国土交通大臣は「静かな革命」という言葉を使いましたが、これから数年、日本の社会は真の民主主義を目ざして、「国民の生活が第一。」の目標を実現するための大きな変革をおこなっていくのです。

天下り廃止で官僚がやる気を出す!!(第82回2009年8月31日)

民主党が「マニフェスト」でお約束している天下りの廃止は、熱狂的支持を受ける一方、「官僚の協力がなくて政権運営ができるのか」という不安を指摘されることもあります。そこで疑問にお答えしますので、「政権交代。」へのご期待をいっそう強く持っていただきたいと思います。

官僚が優秀なのは間違いありません。しかし、「お役所仕事」とか「官僚答弁」といった言葉に表わされるように、官僚は庶民の感覚とズレていることが多く、「国民の生活が第一。」という信条で動いているようには見えないのも確かです。なぜなのでしょうか。

官僚は大学を優等で卒業し、難しい試験に合格して入省します。採用・配属を決めるのは「文書課長」といった超エリート官僚ですが、この結びつきは一生続きます。新人官僚は国家のため、国民のために志を高くもって公職に就きますが、最初の10年程は種々のポジションを転々として研鑽をつむ毎日です。10数年後、彼らは課長補佐に昇進して、行政の第一線を担います。いよいよ志を実現できると思ったのも束の間、期待は裏切られます。地域や人びとの要望を理解して、法律や制度を改正しようとしたのに、局長からダメと言われます。その改正で先輩たちのメンツをつぶすからというのです。国民の生活や仕事よりも省益とか役所の都合を優先する――若く、意欲に燃えた官僚たちがこの論理に染まりはじめる頃、「天下り」を意識するようになるのです。

天下りを意識して庶民感覚とズレる

志を持ち続けて、自分が局長になったら国家のため国民のための政策を作ろうと思っている官僚たちもいます。しかし、実際に局長や事務次官になっても、「上には上」があるのです。各省OBには退官後の人事を支配しているドンがいて、現役の官房長などを使って天下りと渡り先を決めています。つまり、そのルートに乗れるか否かを意識すると、「国家・国民のため」が「省益と自民党のため」にすりかわっていくのです。

民主党が天下りを廃止するのは、この桎梏から意欲ある中堅・若手の官僚たちを解放することなのです。現状の政策課題に熟知した有能な彼らに、その意欲を引き出させることで日本の政治は変わりはじめます。官僚まかせの自民党議員とは違って、民主党の議員は民意を吸収する役割を果たします。そして官僚と党は、決して敵対関係にあるのでなく、緊張感をもった協調関係を樹立するのです。「政権交代。」は、そのためにこそ必要なのです。

「8月総選挙」で問う 政権交代、是か非か(第81回2009年7月6日)

09_0706_01.jpg

川島町で鳩山代表

09_0706_02.jpg

滑川町で岡田幹事長

政権交代を実現するには、衆議院で過半数を制する必要があります。定数480、現有議席は自民304、公明31で、民主112、社民7、国民新5、新党大地1と共産9、無所属9です。

民主党は社民・国民新・新党大地・新党日本と各地で選挙協力をしていますので、連立を組むとしても単独で220程度は確保しなければなりません(共産とは連立しませんが、首班指名で自民党総裁には投票しないので235程度が実質的な過半数)。

民主党の220議席獲得は比例区70として150以上の小選挙区で当選しないと実現できないのです。現職は小選挙区53人、比例区59人ですから、その全員に加えて更に50選挙区で勝利が必要です。言い換えると前々回2003年総選挙(小選挙区・比例区あわせて167人が当選)で当選したものの郵政選挙で議席を失った前議員たちが当選できれば、この条件は満たされます。つまり、松崎哲久前代議士の埼玉10区は、小選挙区での結果が全国レベルの政権交代と直結する選挙区なのです。

 

続きはこちら

「友愛」は抽象的ではない(第80回2009年6月23日)

鳩山由紀夫代表が掲げる「友愛」が有名になりましたが、新聞・テレビに登場する記者やコメンテーターは「抽象的だ」と批判します。その影響で、市民・町民の皆さまの中にも、「友愛」は分かりにくいという感想をもたれる方もあるようです。

実は私も、1996年の民主党(第1次)結党の頃は、鳩山代表の近くで発言を聞いて、「愛は現実政治とはミスマッチではないか」と思ったものでした。しかし、その後の自民党政権(とくに小泉・竹中路線)がアメリカ流の新自由主義に傾きすぎ、競争至上主義の、勝ち組優先の政策を強化した結果として格差拡大社会を招いてしまったことを考えると、「友愛」は決して抽象的な空論でなく、今日の日本社会が基づくべき「政治理念」なのだと確信できました。

自民・公明連立政権が主導した補正予算の巨額なバラマキには、財政を預かる者としての責任の片鱗も感じられず、怒りと憤りを覚えますが、どうせバラマキするのなら、せめて、差し迫って必要なところへは支出して欲しかったと思います。「母子加算200億円」の復活は冷酷に拒否し、不要不急のアニメの殿堂には117億円のムダづかい。20代の若者の死因の49%が自殺という社会の異常さは、「人の命よりもコンクリートを大事にする」官僚支配の政治を改革しなければ正せないのです。

 

続きはこちら

アニメの殿堂は政権末期の象徴(第79回2009年6月15日)

先月成立した補正予算で、「アニメの殿堂」に117億円の巨額予算がつきました。鳩山由紀夫代表は幹事長当時、代表質問で「国営マンガ喫茶のようなもの」と批判しましたが、当の漫画家たちからもアニメ作家からも異論が噴出している計画に対し、国民が納めた税金から巨費を投じるのが今、緊急に必要なことなのでしょうか。

自民党内にも「執行を停止するべき」と発言した議員がいましたが、大勢は「決まったことに何を言う」と批判的です。これが政権交代が必要な理由です。無駄だと思っても、政府が決めたことは変えられない。変えようと言えば袋叩きにあう。国会議員でもそうなのですから、官僚ならばなおさらです。

現役の官僚は、すでに時代に合わなくなった多くの政策を知っています。変えた方がいいと思っていますが、先輩たちが決めた政策に異を唱えることは難しいのです。役所の先輩はふつうの社会の先輩とは違います。自分が課長・局長になった後、退官して「天下り」していく先の法人で、総裁や理事長を務めているのです。つまり、天下り・渡りのルートを断ち切ることは、無駄を排除して官・民の格差を解消するだけでなく、必要な政策を的確に実現するためにも必要なのです。そして政権を交代しなければ、この大胆な改革は実現できないからです。

 

続きはこちら

10区の未来は森林都市(第78回2009年6月8日)

第74回(2009年4月6日)でご紹介した「森林都市構想」は大好評でした。「自然環境を守りつつ都市生活の便利さを追求する」のが基本ですから、関越と圏央道、東上線と越生線、JR八高線などの交通結節点にありながら山と緑と水が残されている、比企・入間地域の特性をいかした構想です。

以下に5つの提案を記し、2)3)4)については詳細を説明しています。

1)次世代路面電車(LRT)で熊谷・森林公園駅を結び、さらには東松山駅を経由して鴻巣まで延伸します。吉見と本川越を結ぶ川島線も続くでしょう。LRTは、すでに完成している道路に管理者(主に県)の同意を得て敷設しますから、一般の鉄道に比べて驚くほど低予算で建設可能です。LRTの成功例は富山ライトレールが知られていますが、全線を新たに敷設するのは日本初の試みとなり、路線自体が観光資源にもなりえます(第74回で解説しています)。

2)高坂サービスエリアのインター化で、鳩山・高坂・にっさいニュータウンの利便は飛躍的に向上します。これはETC専用出入口ならば全額国費で試行できますし、高速道路の無料化を前提にすれば、嵐山パーキングエリアはじめもっと多くのインター開設が可能になります。

3)川越三駅を一体化し、東上線と西武新宿線を乗り入れ可能にします。現状でも本川越駅と川越市駅の南端を結べば200mなのに、乗換客は750mも歩かされています。慣らされ、諦めてしまっては理不尽は何も解決しません。

4)八高線に新駅を設置するとともに輸送力を高度化します。竹沢、小川町、明覚に加えて五明または日影に駅が必要です。わが国は鉄道王国でしたが、高度成長期に自動車中心に政策転換してしまいました。しかし、エコ意識が高まり高齢化も進む中、ふたたび軌道交通への移行(モーダルシフト)が見直されているのです。

いずれも既存の公共インフラ(道路・鉄道・駅)を最大限に利用することで、なるべく環境を破壊せず、工事も簡略化して予算を効率的に使う考え方です。しかし、何といっても「森林都市構想」を象徴する最も簡単な方法は、5)「東武東上線」の「森林都市線」への改称です。沿線イメージを一言で表現するこの変更によって、地域活性化の経済効果は計り知れないものがあります。

 

続きはこちら

攻めの鳩山、逃げる麻生(第77回2009年6月5日)

5月27日の党首討論は45分という短い時間だった上に議論がかみ合わず、物足りなさの残るものでした。それでも両党首の人柄や政治姿勢は十分に視聴者に伝わったように思います。

朝日新聞は「全体の印象としては、鳩山氏の迫力が勝り、終始主導権を握っていた」(都築勉氏)とする大学教授の評を大きく載せています。一方、毎日新聞は社説で「国民目線か上から目線かといったキャッチフレーズは踊ったものの……散漫になったのは残念」と評しますが、討論がかみ合わなかったのは、麻生首相が鳩山代表の鋭い突っ込みに対し「論点のすりかえ」と言って本質の議論を避けたからでしょう。一例をいえば、民主党が企業献金の全廃を提唱するのも「論点のすりかえ」というわけで、結局、企業献金は是か非かという本質から逃げているのです。

鳩山代表の「古い政治よ、さよなら」「業界中心のタテ社会から、市民中心のヨコ社会を作り上げたい」といった印象に残りやすい表現は言語学の専門家から高く評価されましたが、マスコミ一般は「友愛社会」は抽象的という固定観念から抜け出せません。自民党政権が小泉・竹中路線で競争至上主義の、勝ち組優先の政策を強化した結果として今日の格差拡大があるのです。ギスギスした、冷酷な政治に対する具体的対案が「友愛社会」であることに、どうして気づこうとしないのでしょうか(私は「ぬくもりのある中流社会の再建」を提唱していますが、同じことです)。

朝日の天声人語は「言葉は大事にしなくちゃいかん」と言った麻生首相を、「この人が言うと妙に説得力がある」と皮肉っていましたが、一国の宰相の言葉の軽さに物悲しくもなりました。

首相候補は鳩山由紀夫氏!(第76回2009年5月17日)

  • 政権交代を果たし、官僚支配の政治を「生活者起点」に変える。
  • 民主党は全員野球で、総力を結集して日本の大掃除をやろう。
  • 官僚まかせだから財源がないといわれる。総額207兆円の内から必要な順に予算を配分。無駄は徹底排除する。
  • 絆でつながる、愛のあふれた日本社会を再生したい。

 

続きはこちら

だからこそ政権交代―官僚支配との戦い(第75回2009年4月10日)

小沢一郎代表の公設秘書が政治資金規正法違反で起訴された事件は、「政権交代」が現実化しつつある中、自民党や官僚機構の危機感が歪んだ形であらわれたものだと私には思えます。大久保秘書にかけられた嫌疑は、適法だった団体間の献金の出所が西松建設と知っていたのではないか、というものです。3月3日の逮捕当時は、この献金に贈収賄目的があったかのように報道されましたが、その容疑で起訴されたのではありません。

しかし、現時点で世論が「小沢続投」に厳しいのは、検察リークに基づく報道が先行し、詳細な事実が伝わらないだけでなく、巨額な資金が小沢代表のもとへ流れこんでいること自体に違和感があるからなのは否めません。確かに、私たちふつうの民主党議員・候補者に対する政治資金とは桁が二つも違います。集まる額も少なくて、使う額も少ないのが大多数の民主党政治家の実状でしょう。だからといって、私は小沢代表が不正に支出しているとも思いません。秘書の人数、事務所の数、日米・日中の草の根交流など活動の多彩さを考えれば、並の政治家以上に資金が必要なのは自然です。政治家の行動は情緒論、印象論とは別に、1)適法か違法か、2)違法ならその程度と、3)同じ違反は誰でも同じように摘発される、という三原則を守って究明されなければ「権力の横暴」を許すことになってしまいます。

自民党の現職大臣への献金は社員に無断で名前を使い、総務部幹部がまとめて振込んだそうですが、小沢代表の陸山会には、個々の社員が同意して二つの団体に会費を払い、団体会計から寄付されていたといいます。この事例を比べてどちらが悪質かは明白です。二階経産大臣の場合は逮捕も聴取もされていないのですから(その後、実弟を聴取と報道)、明らかに公正を欠きます。

続きはこちら

森林都市構想に賛同を!(第74回2009年4月6日)

私たちが住む比企・入間は東京に近く、関越と圏央道、東上線と越生線、八高線などの交通結節点にありながら、山と緑と水が残されている素晴らしい地域です。この我がまちを、自然環境を守りつつ都市生活の便利さを実感できる「森林都市」と呼べるように、様々な構想が浮かびます。

1)次世代路面電車(LRT)で熊谷・森林公園駅を結び、第2期には東松山駅を経由して鴻巣まで延伸します。吉見と本川越を結ぶ案も続くでしょう。LRTは、すでに完成している道路に管理者(国と県)の同意を得て敷設しますから、一般の鉄道に比べて驚くほど低予算で可能です。

2)高坂サービスエリアのインター化で、鳩山・高坂・にっさいニュータウンの利便は飛躍的に向上します。これはETC専用出入口ならば全額国費で試行できますし、民主党政権になれば高速道路の無料化で嵐山パーキングエリアはじめもっと多くのインター開設が可能になります。

3)都市鉄道等利便増進事業として東上線の川越市駅で西武新宿線と乗り入れ可能にし、その前段階には本川越駅と市駅の南端に連絡口を設ける、などです。

このうち2)は、2003年総選挙の際にも掲げ、当選して実現へ努力しましたが、郵政解散まで1年9ヵ月では短かすぎました。1)と3)は、国土交通委員として関わった制度や予算を利用して事業化を構想し、2005年総選挙で訴えましたが、議席を失ってしまいました。いずれも既存の公共インフラ(道路・鉄道)を最大限に利用することで、なるべく環境を破壊せず、工事も簡略化して、予算を効率的に使う考え方で導入するものです。

 

続きはこちら

日本はどうなる? 官僚主導の政治と訣別(第73回2009年2月16日)

内閣支持率が朝日の14%はじめ全社で20%を切ったのに、麻生首相は「国民が望むのは景気対策」と強弁して、権力の座に居座り続けています。私たちは「政権交代こそ最良の景気対策」と言ってきましたが、証券投資の専門家からも「民主党が総選挙に勝って官僚主導政治から脱却できれば、外国人投資家は評価しよう。この場合、(日経平均は)年内にも1万4000円に届いてもいい」(中西文行SMBCフレンド証券投資情報部長)との声が出ています。政権を失うのを恐れて、解散・総選挙から逃げまくっている麻生内閣では、「国民の生活が第一。」の政策が実行できるはずがありません。民意に基づいた強力な内閣を組織することが何より必要なのです。

経済不況や雇用不安にマスコミの報道量が集中していますが、ここ数年、日本はどうなってしまうんだろうという心配が皆さまの頭から離れないのではないでしょうか。「消えた年金」は問題発覚から2年もたっているのに、ほとんど解決の道筋が見えません(最後のお一人までお支払いしますと言った元首相の公約を、誰も忘れていないはずです)。商店街の活気は失われ、駅前通りですらシャッター通りと化してしまいました。農村は減反と養蚕の衰退で昔の面影はありません。かつての美田が耕作放棄地となって荒れているのを見るのは悲しいものです。医療政策の失敗は地方都市の病院を崩壊させ、緊急医療や周産期の対応すら危機に瀕する事態に至っています。高齢者を大切にしないだけではないのです。子が親を殺し、親が子を殺す歪んだ家族関係。白昼の盛り場で、無差別の通り魔的殺人事件も起きる……。

続きはこちら

新自由主義との訣別 オバマ新大統領の就任演説(第72回2009年2月9日)

1月20日、アメリカのオバマ新大統領の就任式典がありました(日本時間21日未明)。私はアメリカの建国200年の頃に米国留学を決意し、日米の大学で政治の研究をしていましたので、ジェファーソン、リンカーン、ケネディなど過去の大統領の演説や論文も知っているものですから、格別の感慨をもって現地からの中継を見ました。

冒頭、就任の宣誓を間違えたのには驚きを禁じ得ませんでした。その文章は合衆国憲法で一言一句まで決められており、最高裁長官の先唱を繰り返しておこなうのですが、その長官が間違えてしまったのです(そのままでは就任の効力が発生せず、後で宣誓し直しました)。それはさておき新大統領の演説は、地味とか格調が高くないとの評が多かったようですが、私の印象は違います。アメリカの現状を冷静に見極め、失敗を変革していく方向性を明快に打ち出していたからです。

よく、「大きい政府か小さい政府か」が議論の対象になります。しかしオバマは、機能しているかどうかが問題なのだと喝破します。日本でいえば、国民皆年金と言っても、払った保険料の記録が消えてしまえば、中福祉とか高福祉とか言葉をもてあそんでも意味がないということです。

 

続きはこちら

2兆円のバラマキ撤回を!(第71回2009年1月17日)

究極のバラマキと評されて、国民や市町村の支持もほとんどない(読売新聞の世論調査では78%が反対)2兆円の定額給付金を含む第2次補正予算案が、1月13日、強行採決で衆議院を通過してしまいました。全野党が反対する2兆円のムダづかいは、参議院では可決されません。しかし、衆議院の優越が規定されている予算案は30日後(2月12日)に自然成立、関連法案は60日後(3月14日)以降に衆議院で3分の2以上の賛成があれば再議決で成立します。

この2兆円は、最初は「生活支援のため」とされ、所得制限で迷走したあげくに麻生首相の発言がぶれ、今では消費を刺激する景気対策だとも説明されています。しかし、GDPの押し上げ効果は僅か0.1%しかありません。最近、麻生首相は0.2%と言っていますが、これは0.15%と説明した数字を四捨五入して切り上げたものだと担当官僚が認めている上に、消費されるのが前提だった地域振興券の例をもとに推計しているに過ぎないのです。現金(または振込)で支給される定額給付金の場合、消費に回る率はさらに低いと考えるのが当然です。

生活支援が目的なら、本当に必要な人に、直接的効果があがる方策をとるべきです。消費の刺激なら、もっと目的にそった方法があります。中小企業対策や雇用対策等も、より有効な手段が考えられます。産科・小児科医療対策や介護の充実、太陽光発電への助成等々、2兆円の定額給付金は撤回し、個別・具体的な政策に振り向けるべきです。

 

続きはこちら

年頭所感(第70回2009年1月1日)

平成21年。2009年が明けました。旧年は福田内閣が政策的にゆきづまりながら総辞職、解散・総選挙を運命づけられた麻生内閣も失速し、世界不況へ打つべき手も打たないまま年を越してしまいました。新年がどのような年になるのかは、皆さまの選択に委ねられています。

自民党幹事長を務め、かつては名門派閥・宏池会を率いた加藤紘一氏は、「自民党は歴史的使命を終えた」と語っています。戦後の復興から経済成長を成し遂げ、米ソ冷戦が終わるまで、「平和と繁栄」の半世紀を指導してきたのが自民党でしたが、1990年代以降の新たな局面に対応できないでいるのです。小泉元首相はそういう「自民党をぶっ壊し」、新しい政治を目ざしましたが、彼の「改革」は日本をアメリカ化し、競争激化の社会に変貌させることであって、「格差と貧困」を日本中に撒き散らし、安心・安全とは対極の拝金主義ですさんだ世の中にしてしまいました。

続きはこちら

▲ページトップに戻る