『国民の生活が第一』の基本政策(2012年11月27日)

 11月26日に発表された第2次検討案は、第1次検討案に対する国民の皆様からの意見募集、有識者・団体等との議論を踏まえて改訂したものです。1.エネルギー政策の大転換、2.国民生活の立て直し、3.地域が主役の社会の実現、4.社会保障制度の維持・拡充、5.教育・子育て支援、6.自立した外交・安全保障の展開の6項目です。(党のホームページに掲載)

原発はただちに稼働ゼロとする

 松崎哲久前代議士は、『国民の生活が第一』の政策担当副幹事長として脱原発政策の責任者を兼ね、基本政策の中の「エネルギー政策への大転換」を担当しました。全体の見出しは当初の「原発は2022年までに全廃する」から「ただちに稼働ゼロとする」に変更しました。「廃止」は法的手続きであり、自治体との協定や、外交も国際枠組みも関係します。さらに電力需給体制や燃料調達、価格の問題など多くの要因をクリアする必要があります。国民の合意による選択が迫られる状況も考えられますので、余裕を見て10年後という期限を設定しています。しかし、「再稼働は容認しない」こと及び新増設も認めないとの方針に従えば、早期に稼働ゼロとなるのは明らかです。2022年の期限は誤解が生じやすいと考え、分かりやすく表記することにしました。

 先に衆議院の5会派で提出した『脱原発基本法案』(松崎前代議士も提出者の一人)は解散に伴って廃案の扱いになってしまいましたが、今後すみやかに賛成議員を増やし、成立を期します。

 消費税増税を撤回する

 景気が後退しています。7〜9月の四半期の成長率は-0.9%、年率換算で-3.5%に落ち込みました。こんな時期に増税をしたら、経済を直撃するのは明らかです。松崎前代議士はじめ離党のやむなきに至った議員たちは、民主党内で消費税増税の可否を議論していた際、せめて「景気弾力条項」(名目3%、実質2%の成長が確保されていなければ増税しない)という条件を付すべきと主張したものでしたが、増税派は「総合的に判断する」として譲りませんでした。

 その懸念がまさに現実化しているのです。増税派は景気が後退局面でも増税実施に突き進もうとするでしょう。「三党合意」で増税に賛成した自民党からは、インフレターゲットを3%に設定し、無理矢理、物価を値上げして数値を満たそうとする発言も飛び出しています。

 税収は経済の好況・不況を反映します。財務省は3%引き上げで7.8兆円の税収増を目論んでいますが、不況下で税率を上げても、期待した税収が確保できないのは経済政策のイロハです。1990年に60.1兆円だった税収は、リーマンショック後の2009年には38.7兆円に減っています。景気が回復傾向にあった10年度、11年度で43兆円まで戻りましたが、このまま後退を続ける怖れも十分あります。

 増税より前にやるべきは、デフレ脱却のための成長戦略です。「エネルギー政策の大転換」は脱原発だけにとどまらず、電力・エネルギー改革につながる新しい産業分野への積極的・大規模投資を促すことにもつながります。

 TPPに反対する

 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)は、日本も積極的に推進すべきFTAやEPAのような経済連携とは違って、農業・医療・健康保険・金融など経済社会の仕組みそのものを大きく変えてしまう可能性があります。とくにISDS条項は外国企業や株主が外国の国内法で日本政府を訴えることができるなど、日本をアメリカのような訴訟社会に変貌させてしまうことが危惧されます。交渉内容は不明なことが多いのですが、「例外なき関税障壁の撤廃」を無条件に受け容れることは危険が多すぎます。

「基本政策 第2次検討案」を発表(第94回2012年11月20日)

 『国民の生活が第一』は9月7日に「基本政策検討案」を発表しましたが、今回、第2次検討案を公開いたしました。第1次検討案に対する公開意見募集(パブリックコメント、9月30日まで)、有識者・団体との意見交換などを経て、党内の議論を積み上げたものです。

 全文は党のホームページで参照できますが、「T.エネルギー政策の大転換」の部分は以下の通りです。

 

T.エネルギー政策の大転換

 

原発を2022年までに全廃する

 

1.原発ゼロと十分な電力確保は両立する

 電力は現代社会において欠くことのできないエネルギーである。しかし、原子力を利用した電気は、国民の生活を脅かす危険なエネルギーであることも理解しなければならない。昨年3月の原発事故の反省に立って原子力を利用しない場合の電源構成を考えると、総発電電力量の燃料別比率の推移は、下記のように実現可能な数値が提示される。

  2010年 2011年 2022年 2030年
天然ガス 29.3% 39.5% 48% 45%
石炭 25.0% 25.0% 25% 20%
石油等 7.5% 14.4% 5% -
水力・小水力 8.5% 9.0% 10% 10%
新エネルギー 1.1% 1.4% 12% 25%
原子力 28.6% 10.7% - -
  (出典:電気事業連合会) (国民の生活が第一の検討案)

 

2.原発の再稼働は容認しない

 原発ゼロは実現可能である。2012年の夏も、猛暑日にも深刻な電力不足は生じなかった。したがって、代替発電所の進捗状況、今後の燃料調達先の確保、価格、気候の態様、電力需給見通し等を慎重に見極めながら、また国際枠組を尊重し、外国との協調、地方自治体・住民の意見に配意しつつ、遅くとも2022年までに最終的な廃止を確定する。

 なお、原発の廃止とは、「発電のための施設でなくなる」ことである。それまでの間も原発の新増設と再稼働は容認しないので、大飯原発の2基を含めて実質的な「原発稼働ゼロ」は早期に実現する。

 

3.新エネルギーの普及を確実に増進させる

 低炭素社会実現の観点で最も有利なのは再生可能エネルギーであるが、水力の割合を短期間で大幅に引き上げるのは困難と言わざるを得ない。風力・太陽光・地熱・バイオマスなどは、ドイツ等の事例を見ても、技術開発、法の整備もしくは規制緩和、財政支援を強化する等の適切な誘導策を講じれば、新エネルギー全体で年毎に1%程度の増進が可能である。その際、発電量が天候に左右されるものは、蓄電設備の充実によって効率性と安定性を高めなければならない。

 なお、原発の代替で一時的に増加した石油は、極力抑制する。

 

4.省エネルギー技術等で電力需要を抑制する

 送電技術の高度化、地域連系の強化など電力事業者側の技術革新とともに、需要者側の省エネルギー技術開発を促進することにより、総電力需要を抑制する。東日本大震災後、需要者側の節電およびピークカット意識の向上は目ざましいものがあり、ライフスタイルの変化、スマートグリッドの普及、コージェネの推進などで、経済成長の鈍化を伴わない最大電力需要の下方見直しが可能である。

 

5.CO2排出が抑制される最新型火力を即戦力として使う

 再生可能エネルギーの比率拡大が望ましいのは当然だが、普及に一定の年限を要するのも事実である。それまでの間も、「脱原発」をスローダウンさせて原子力を維持するよりは、即戦力として最新型火力発電を優先すべきであって、その際、CO2排出量が著しく増加しないよう配慮する必要がある。

 したがって、石油火力は高効率の天然ガスに転換し、天然ガス自体もさらに高効率化を図ることにより、また石炭火力は最新型に転換し、国産の間伐材等を利用したバイオマス混焼、CO2分離回収技術(CCS)などにより、排出量削減の達成に努める。

1)天然ガス・コンバインドサイクル発電を増強する

 天然ガスの高温燃焼と、その排熱(余熱)で沸騰させた高圧蒸気を使う発電を複合させた方式で、高い熱効率(60%超)が得られる日本の技術は世界最先端にある。すでに全国の電力会社が23発電所の33基で出力3159万kwを実際に発電し、2021年度までに1627万kwの運転開始が予定されている。これをさらに加速させ、老朽火力発電所と置換(リプレース)する。

2)高効率石炭火力発電への置換を促進する

 現段階の最高効率技術(微粉炭火力)ですでに熱効率40%以上が実用化され、さらに熱効率55%の達成も可能とされている。既存の旧式火力発電所を最新式に置換(リプレース)し、価格が安く安定した石炭を有力な電源として位置づける。

 

6.エネルギーの地産・地消を促進する

 電力を使用する地域で発電を行えば、送電ロスも少ない。電力を大量に必要とする地域に発電所を立地するだけでなく、全国各地に設置することで地域の経済活性化、雇用拡大に寄与し、ひいては成長戦略の一環に位置づける。

 

7.発送電を分離する

 発電、送電、変電及び配電に係る事業の分離を前提に、電力供給体制を抜本的に改革する。明治期以来2分されている東西の周波数を統一して地域連系を容易にするとともに、地域独占の自由化、卸市場の強化等で新電力(PPS)の参入を促進し、消費者の電気料金負担を軽減する。

 

8.資源調達を多様化し適正価格を確保する

 中東に過度に依存した石油と異なり、天然ガスの調達先は多様化できる。更に、近年のシェールガス革命、非在来型革命に対応し、上流事業への参入促進、石油連動型の長期契約の是正など、廉価かつ安定した資源調達に努める。

 また、日本近海の資源開発(メタンハイドレートなど)を進める。

 

9.原発の廃止に伴って必要な措置を実施する

 廃止した原発の廃炉を安全確実に進めるとともに、発生する廃棄物の処理、残された使用済み核燃料の保存・管理・最終処分、及びこれらの業務を円滑に行うための研究者・技術者の育成・確保に全力をあげる必要がある。原発立地地域の雇用・経済対策、電力会社の損失処理等にも配慮した諸施策を推進しなくてはならない。

 

10.世界の脱原発政策に貢献する

 原発事故の完全収束と瓦礫処理、除染に世界の英知を集め、最優先に取り組むことは、子供たちの命と地域の将来を守るためにも必要不可欠である。

 エネルギー、原発に関連するその他の分野の研究・技術開発を進め、拠点として原発立地地域の活用を優先する。自家発電、コジェネ(燃料電池)、蓄電技術、廃炉技術、除染技術、廃炉に伴う汚染物質の処理技術等を先入観なく研究し、日本のみならず世界の脱原発政策に積極的に寄与する。

「基本政策 検討案」を発表(第93回2012年9月10日)

 新党『国民の生活が第一』は9月7日(金)、第180回通常国会が会期末(8日まで150日+79日間)を迎えるにあたって、「基本政策 検討案」を発表しました。これは8月1日に決定した「基本方針」と「3つの緊急課題」にもとづき、解散・総選挙に際して策定する政権公約の中間段階の「叩き台」として集約したものです。

 今後、議員や候補予定者が全国各地で開催するタウンミーティングや、FAX、メールでもご意見を承りながら、より精度の高いものとして書き改め、最終決定をいたします。

 なお、松崎哲久代議士が中心となって取りまとめた「原発ゼロへ!」の部分は、以下の通りです。

 

T.エネルギー政策の大転換

 

1.原発は10年後を目途にゼロとする

電源構成は長期的には、2030年時点で、低炭素社会実現のため最も有利な再生可能エネルギーを35%(水力10%、新エネルギー25%)とし、熱効率を向上させた火力を65%(天然ガスコンバインドサイクル45%、最新型石炭20%)とする。

2.新エネルギーの普及を確実に増進させる

現在の発電電力量が1%強の新エネルギーを25%にまで引き上げることには困難が伴うことが予想されるので、技術開発、法整備、財政支援等を強化する。それにより新エネルギーの電源比率を10年後を目途に10%とする。「原発ゼロ」達成時の電源構成は天然ガス50%(2011年度39.5%)、石炭25%(同24.9%)、石油等5%(同14.4%)、水力10%(同9.1%)、新エネルギー10%(同1.4%)とする。原発の代替で増加した石油は、極力抑制する。

3.省エネルギー技術等で電力需要を抑制する

送電技術の高度化、地域連係の強化など電力事業者側の技術革新とともに、需要者側の省エネルギー技術開発を促進することにより、総電力需要を抑制する。東日本大震災後、需要者側の節電およびピークカット意識の向上は目ざましいものがあり、ライフスタイルの変化、スマートグリッドの普及、コージェネの推進などで、経済成長の鈍化を伴わない最大電力需要の下方見直しを可能にする。

4.CO2排出量の削減を達成する

低炭素社会を実現するには、再生可能エネルギーが最も有力なエネルギーであるが、その電源構成の比率が十分に高められるまでの間は化石燃料を使用してもCO2排出量が著しく増加しないよう配慮しなければならない。石油火力は高効率の天然ガスに転換し、天然ガス自体もさらに高効率化を図ることにより、また石炭火力は国産の間伐材を利用したバイオマス混焼、CO2分離回収技術(CCS)などにより、排出量削減を達成する。

1)天然ガス・コンバインドサイクル発電を増強する

天然ガスの高温燃焼と、その排熱(余熱)で沸騰させた高圧蒸気を使う発電を複合させた方式で、高い熱効率(60%超)が得られる日本の技術は世界最先端にある。すでに全国の電力会社が23発電所で出力3637万kwを実際に発電しており、2021年度までに1626万kwの運転開始が予定されている。これをさらに加速させ、老朽火力発電所と置換(リプレース)する。

2)高効率石炭火力発電への置換を促進する

現段階の最高効率技術(微粉炭火力)ですでに熱効率40%以上が実用化されており、さらに熱効率55%の達成も可能であることから、既存の旧式火力発電所を最新式に置換(リプレース)することで、価格が安く安定した石炭を有力な電源として位置づけることができる。

5.エネルギーの地産・地消を促進する

電力を使用する地域で発電を行うことは、送電ロスが最も少ない。電力を大量に必要とする地域に発電所を立地するだけでなく、全国各地に設置することで地域の経済活性化、雇用拡大に寄与することができる。

6.発送電を分離する

発電、変電、送電及び配電に係る事業の分離を前提に、電力供給体制を抜本的に改革する。新電力(PPS)の参入促進を含め、電気料金を引き下げる。

7.資源調達を多様化し価格是正に努める

中東に過度に依存した石油と異なり、天然ガスの調達先は多様化する。近年のシェールガス革命、非在来型革命に対応し、上流事業への参入促進、石油連動型の長期契約の是正など、廉価かつ安定した資源調達を確保する。

8.原発の再稼働は原則として認めない

現実に今夏は猛暑にもかかわらず、深刻な電力不足は生じなかった。心配された関西電力管内も、大飯原発の2基を再稼働させなくても供給余力はあったと判断される。したがって、今後の燃料調達、電力需給見通し等から万やむを得ず再稼働を検討する場合でも、最新の科学的知見に基づいて定められる基準等で厳格に対応する。なお、地震・津波に限らず航空機墜落・テロ・ミサイル攻撃等への対処も十分に検討する必要がある。

9.原発の廃止に伴って必要な措置を実施する

原発の廃止によって発生する廃棄物の処理、使用済み核燃料の保存・管理・最終処分、及びその業務を円滑に行うための研究者・技術者の育成・確保に全力をあげる。原発立地地域の雇用・経済対策、電力会社の損失処理等に配慮した諸施策を推進する。

10.その他の研究・技術開発を併せて推進する

東京電力福島第一原発の事故収束に世界の英知を集め、最優先に取り組む。

エネルギー、原発に関連するその他の技術開発を進め、その拠点として原発立地地域の活用を優先する。自家発電、コージェネ、蓄電技術、レーザー核融合による発電、廃炉技術、除染技術、廃炉に伴う汚染物質の処理技術等を積極的に推進する。

新党の政策、基本方針を発表(第92回2012年8月3日)

 8月1日夕刻、、新しい党本部で小沢代表が『国民の生活が第一』の政策の「基本方針」と「3つの緊急課題」を発表しました。

 これで結党日の7月11日に発表された「綱領」と合わせ、新党の基本的な考え方についてのご理解が進むと思います。さらに、小沢代表が記者会見で説明したように、これら3つの項目とこれ以外の重要政策についての取りまとめを、総合政策会議のもとに6つの検討会議を置いて実施します。そして全国の支援者・有識者の皆さまからもご意見・ご提案をいただくことにします。

 このご意見・ご提案の方法については来週半ば(8月8〜9日頃)に発表の予定です。(党のホームページが立ち上がるはずですが、私のこの欄にも掲載いたします)

新党政策チラシ

「国民の生活が第一」の基本方針

(2012.8.1)

 私たち『国民の生活が第一』は、すべての国民が「自立と共生」の理念のもとで、「いのち」を大切にし、安心、安全で安定した「暮らし」を送ることができる社会を追求します。

 日本ではいま、子どもたちがみずから命を断つような教育現場があり、また、自然災害や原発事故で住みなれた地域から避難を余儀なくされ、故郷を失う悲しみを、多くの人びとが経験しました。働きたいのに働く場を与えられない人が多くなる一方で、額に汗して働く人たちが「報われない」との思いを抱くのはなぜか。私たちは、その原因に、戦後日本の政治、行政、経済、社会の有りようが多かれ少なかれ関わっていると痛感しています。その責任から、今の与党も前の与党も、逃れることはできません。だからこそ、その仕組みを一新し、根本から立て直すための不断の努力を続けなければならないのです。

 国民のすべてが、みずからの将来に夢と希望を取り戻し、誇り高く暮らせる日々を実現していくために、私たちは「いのち」と「暮らし」と「地域再生」をキーワードに、以下の政策課題を追求してまいります。

 

3つの緊急課題

1.いのちを守る 「原発ゼロ」へ!

「エネルギー政策の大転換」で、10年後を目途に全ての原発を廃止する。そのために、日本の省エネルギー技術と再生可能エネルギーの普及、効率の良い天然ガスコンバインドサイクル火力発電、さらにエネルギーの地産地消を強力に促進する。

それにより、原発立地地域をはじめ、地域経済の発展と雇用の拡大を実現する。

2.生活を直撃する 消費税増税は廃止!

デフレ不況下での消費税増税は、消費の冷え込み、特に中小企業、農林漁業など弱い立場の人たちの暮らしを直撃するので、断固阻止・廃止する。

まずは、ムダづかいの多い特別会計、政府関係法人の廃止と、官僚の天下りの全面禁止を断行する。

増税に頼らずに予算のつくり方を根本から見直し、「国民の生活が第一」の財源を確保する。

金融・財政政策の積極的な展開により景気の回復を実現する。

3.地域のことは地域で決める 地域が主役の社会を!

東日本大震災の復興の遅れに象徴されるように、中央が全てを決めて地方に押し付ける中央集権体制は、国民の声に応えられなくなっている。行政の権限と財源は地方に大胆に移し、「地域が主役の社会」を実現する。特に、国の補助金と政策経費(合計40兆円)は原則、自主財源として地方に交付する。それにより地域経済を活性化し、デフレ脱却を促進する。

党綱領を発表(2012年7月11日)

綱 領

(2012年7月11日制定)

 

 我が党は、2009年の政権交代に対して負託された民意に鑑み、改めて「国民の生活が第一」の原則を貫いて日本の政治、行政、経済、社会の仕組みを一新する。そして国民が「自立と共生」の理念のもとで安心安全かつ安定した生活を送り、みずからの将来に夢と希望を取り戻し、誇り高く暮らせる日々を実現することを目標とする。

 

 我が党は、我々がたずさわる国政とは「国民の厳粛なる信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」(憲法前文)ものであることを真摯に受けとめ確認する。

 我々は「正当に選挙された国会における代表者」として政治を主導する権限と責任があること、その政策は国民の利益を増進するものでなくてはならないこと、国民との約束は誠実に遵守する必要があることは、まさしく日本国憲法が求めているものであって、我々が「国民の生活が第一」をもって党是とし、党名とする所以である。

 

三つの前提

 我が党は、自立した個人が自由と公正を規範とするとともに、多様な価値観をもつ他者と互いに認めあう「共生の社会」を目ざす。その実践原理である「国民の生活が第一」を追求するにあたっては、三つの前提が確立される必要がある。

 

1.国民の主権

 主権者である国民に対し、情報が開かれていなくてはならない。国も官僚も企業も団体も、もはや公共の福祉の名のもとに情報を独占し隠蔽することは許されない。議会制民主主義の虚構化を回避し、「国民の代表者」による真の政治主導を確立することは、国民主導の政治の実現のための必要条件である。

2.「地域主権」

 日本の各地域には、連綿と続く歴史があり文化があり暮らしがある。地域が地域としての自立性と公平性を維持しつつ、産業と生活の利便が享受できる街づくり、地域づくりが確保されなくてはならない。そのために必要な国と地方との関係については、統治機構の抜本改革の中で協議を先行させる。

3.国家としての主権

 いかなる個人もどのような地域も、国家の自立なくして成り立ち得ないのは自明である。同時に、国民の人権が侵され、国土が保全されないとすれば、国家の威信も守れない。日本が国家としての主権を毀損されることがないよう、安全保障のみならず文化・教育・科学技術・経済・金融・外交等々、広汎に目配りして真の主権国家を確立する。

 

 我が党は、諸国家、諸民族、諸文化、さらには自然とも共生する理念のもと、世界の平和と持続的繁栄のための諸活動に、性別・年齢・分野を問わず積極的に参加することを求める。平和と繁栄という普遍的な目的への人類史的貢献の発信者としての日本を、すべての国民が名誉と思える時代を築くためである。

増税反対、新党結成へ(2012年7月1日)

 6月26日の衆議院本会議で、私は反対票を投じました。民主党は自民・公明と談合していましたから「可決」され、後は参議院に舞台が移ります。しかし、反対の57名に加え欠席・棄権が16名(いずれも民主党議員で)にのぼり、党・政府の思惑に順った投票をしなかったことは、この増税が歴史的に誤った政策であることを物語るものです。

 採決の前後から、新聞・テレビは「民主党の今後」について頻りに予測・推測を取りあげています。私はその渦中にいますので、取材を受けたりテレビに出演する機会も増えました。また、いわゆる小沢グループの「新しい政策研究会」を代表する立場での発言を求められることも多いのですが、何より主張したいのは、この問題は党内抗争や権力闘争といった次元でなく政策論争なのだということ。皆様にはそれを理解していただきたいのです。

 増税は不可避でない!

 日本経済がデフレで苦しんでいるこの時期に、消費税を引き上げることは経済政策として間違っています。国民の多くは、社会保障の充実のためには消費税の増税はやむを得ないと思っているようですが、それは財務省の一方的な言い分に過ぎません。

 税率を上げても、景気が悪化し税収が増えなければ、何の意味もありません。デフレ対策を重視し好況になれば、税率は同じでも税収は増えるのです。1991年に61兆円だった税収は、政権交代時の2009年には38兆円まで減り、2010年度の予算編成を苦しませました。その後2011年度は43兆円まで戻りましたが、これを50兆円規模に回復させることが出来れば、消費税率5%アップと同じ水準が自然増収で達成できるのです。

 私たちが「増税の前にやるべきことがある」と主張すると、何をやるのかを具体的に聞かせてほしい、との質問を受けます。私は6月16日の若葉駅前広場の街頭演説でもお話いたしましたように、1)政治や行政の身を切る姿勢、2)逆進性対策、3)社会保障との一体改革、4)デフレ脱却のための成長戦略が優先、というのがその答えです。

 しかし、「民主党は政権交代後3年になるのだから、今まで何をしてたんだ」というご批判も聞きます。その方たちへ、私は胸を張って言います。「たしかに民主党は失敗もしたけれど、多くのことを実現してきました」と。

 たとえば、責任者として私が直接たずさわった文部科学部門の政策には1)高校授業料の無償化、2)私立高校生への就学支援金、3)少人数学級の実現、4)大学奨学資金の充実、5)科学技術政策の重視、6)若手研究者対策の充実、7)科学研究費の基金化、8)学校耐震化の推進、9)放射線基準の厳格化(20ミリシーベルト→1ミリシーベルト)、等々があります。また、国土交通部門の責任者としては、関越高速道のバス事故に関し「ゆきすぎた規制緩和」で急増した高速ツアーバスの事業形態の見直しが最後の仕事となりましたが、ムダを排除しつつ成長に資する国土交通政策の追求を徹底したとの自負があります。港湾、海運、鉄道、道路、都市・住宅の分野では列挙できないほどの政策決定にたずさわりました。

 他のマニフェストは実現できたか

 自民党政権時代に削減を続けた社会保障費の内、診療報酬や介護サービスについては見直して現場を重視し、野党の攻撃で迷走させられた子ども手当はともかくも社会全体で子育てを支援する原則を確立できました。農業の戸別所得補償制度は、規模拡大と経営収支の改善は概ね目標を達成していると評価されています。もちろん実現困難になった課題もあります。ガソリンの暫定税率廃止は2009年度の歳入欠陥が直撃して原油価格高騰時のトリガー条項を残して撤回を余儀なくされ、高速道路無料化は2年間の社会実験の実施後、必要な予算を東日本大震災の復興財源へ回すために被災者関連を除いて断念せざるを得ませんでした。

 それでも、細分化でサービスが低下し、経営の困難も増した郵政事業を見直した郵政改革や地域主権改革推進のための一括交付金(2011年度は5,120億円、2012年度は8,329億円の補助金を一括化)が実現したことは、政権交代の根幹にも関わる大きな成果だといえます。

 しかし、それらの努力を一挙に無にしてしまうのが、消費税増税なのです。消費税率の引き上げはマニフェストに記載がないだけでなく、その無理筋の実現のために「最低保障年金」の導入や「後期高齢者医療制度の廃止」まで撤回を迫られました。かろうじて首の皮一枚を残して国民会議の協議事項となりましたが、その本当の意味が棚上げ・先送りであることは誰もが知っています。

 民主党は、残念ながら立党の志を失ってしまったようです。「国民の生活が第一。」と考える政治を実現するには、この党を離れるしかない。有権者の皆様の厳粛なる負託に応えるために、もはや結論は一つしかないと思えてなりません。

消費税増税法案に反対(2012年6月26日)

 消費税増税法案はじめ8本の議案の採決後、発表したコメントは以下の通りです。

 

1.本日の全法案について、反対しました。(起立採決は着席のまま、記名採決は青票)

2.「増税の前にやるべき事がある」。それは第一に、政治・行政にたずさわる者の身を切る姿勢です。国民の皆さんに負担を強いる前に、十分な結果を出せたとは言えません。

3.第二に、社会保障との一体改革は政府案でも十分でありませんが、自民・公明との三党合意により、棚上げ、先送りなど民主党の基本政策を譲りすぎています。

4.第三に、逆進性対策も不十分のままですから、小泉内閣時代に拡大した格差がさらに拡大してしまいます。

5.第四に、景気弾力条項は日本の経済・社会が構造的に苦しんできたデフレからの脱却こそ増税の前にやるべき事であることを端的に示したものですが、努力目標にとどめた政府は、その政策推進の自信も熱意もないことを物語っています。

6.少子高齢化時代の社会保障を充実するためには、デフレ脱却こそ必要なのに、消費税率を8%、10%へ引き上げることは景気を再び冷え込ませ、期待した税収が上がらないことは内外の過去の事例に則して明らかです。

7.したがって、格差の是正と社会保障の充実を置き去りにした「先行増税」は百害あって一利なしの悪法です。

消費税増税法案に反対(第91回2012年6月16日)

2012年6月16日13時30分 若葉駅街頭演説。

 

若葉駅前の皆さん。また、若葉駅で電車を待たれている方、衆議院議員の松崎哲久でございます。

ご承知のように、昨日、昨夜になりますけども、民主党、自民党と公明党の3党合意ということで、消費税の税率を引き上げることが合意されてしまいました。今5%の消費税を、8%更には10%に引き上げる増税が実現してしまう可能性が高くなってしまいました。

私は民主党の衆議院議員です。そして3年前には、この若葉駅東口のこの場所で、当時の菅代表代行を迎えて、立錐の余地もないくらいに、支援者の皆様に集まって頂きまして、政権交代を訴えさせて頂きました。その時に、私たち民主党は増税をする、消費税を上げるということを皆さんにお約束をしたでしょうか。そうではありません、任期の間の4年間、増税はしない、徹底的に行政改革で無駄を省く、そして予算の組み替えで必要な経費を賄い極力増税には至らない、こういう事を皆さんに訴えました。そして何よりも政治主導で、それまでの日本の政治の澱(おり)のようなものを取り払って、新しい政治を日本に誕生させる、こう訴えさせて頂きました。

マニフェストに書かせて頂きましたものの内、今回のテーマに関わることで言えば、最低保障年金を含めた年金の改革、更には、例えば今日、お子さんをお連れになっておられる方がいらっしゃいますけれど、待機児童を解消する、これもお約束をいたしました。皆様方の生活を第一に考える、「国民の生活が第一。」というキャッチフレーズのもとに、お約束をさせて頂きました。もちろん、子ども手当、高校授業料の無償化等々、既に実現させて頂いたものもあります。しかし残念ながら、こども手当は今年からは児童手当と名称を変え、お約束をした2万6千円ではなくて、1万円あるいは1万5千円の給付ということで、数字は変わってしまいました。しかしながら、ともかく子育てということを社会全体で支えていくんだ、これが私たち民主党の考えですし、それが民主党政権の中で実現した政策でもあります。

高校の授業料を徴収している先進国はないんです。年間で約1万円のポルトガルのような国もありますけれども、基本的には後期中等教育は無償です。その世界の趨勢に習って、私たち日本も公立高校の授業料は無料化する。それから私立高校に通われていらっしゃる皆さんのためには、就学支援金として年額11万8千8百円を支給させて頂く、更には、大学の奨学金を充実させる。このように皆さん、今私たちは、高齢化時代、そして少子化時代ということで、この日本の社会の活力をどう維持していくかということが、重要なテーマになっております。その社会の活力を維持するために、今必要なことは、まず、経済の活性化です。成長戦略を実施して、そして、景気を良くしていく、これが一番必要なことなんです。

これから税金の話に入ってまいります。今消費税を引き上げよう、そういうことを民主党が自民党と、更には公明党と3党の密室談合で消費税の引き上げに合意をしたという事であります。しかしながら、今そういう増税は必要ないというのが私たちの考えです。

「増税の前にやるべきことがある。」――「国民の生活が第一。」と訴えてきた私たちの考えを、今の今に即して言えば、「増税の前にはやるべき事がある」となります。やるべき事は何だよと聞かれます。それは、第一に、行政改革や、政治改革、議員定数の削減等々、国民の皆さんに負担を強いる前に、まず自らの身を切る、これは当然必要なことです。しかしそれはですね、財政的に言えばそれほど大きな数字にはならない。何よりも必要なことは、まず、デフレからの脱却です。今景気を良くして、その結果としての税の増収につなげていく。これが必要なんです。日本の社会は長いことデフレに苦しんでいます。90年年代から15年以上デフレが続いています。結果として税収を減らしてしまうんです。1991年には、61兆円税収がありました。今はおよそ42兆円です。2009年政権交代の年には、38兆7千億。1991年から20兆円も減ってしまっているんです。ですからデフレから脱却し、経済を成長させ、景気が良くなって、経済活動が活発化すればそれに伴って税収は自然に増えるんです。

2009年には、麻生さんの内閣で、46兆円税収があると見込んで予算を立てていました。しかしながら、実際に入った税収は38兆7千億円だったんです。8兆円も税収が下がったということは、逆に経済政策、景気対策をきちんとやれば、7兆から8兆円税収が増えることが可能なんです。消費税は1%あたり、2兆5千億とか、2兆6千億とか言われています。従って今3%税率を上げると言うことは、7兆8千億から8兆円ぐらいの税収増を期待しているわけです。しかしながら、経済の活性化に逆行する、景気を冷え込ませてしまうのが増税ですから、実際には3%上げても、税収が7兆から8兆円上がると言うことはないだろうと言われております。1997年に、消費税は3%から5%に、2%税率を上げました。その時に、経済の成長率は、96年は3.6%あったんですけれども、97年は1%に下がってしまいました。翌年98年は、−0.6%になってしまいました。ですから、消費税を上げると言うことは景気を冷やしてしまう。景気が冷えてしまうと税収が下がってしまうんです。14年4月に3%消費税を上げ8兆円税収を増やしたいと思っても、実はこれは全く絵に描いた餅で、税収は増えないけど、国民の皆さんの負担だけが増えるということになるんです。

私たちは民主党におりますけれども、その消費税増税を主張するのではなくて、まず必要なことは、経済を活性化させる、景気対策をやる、成長戦略をきちんと打つことによって、税金の自然増収を図っていく、これは消費税だけではありません、法人税もそうです、所得税もそうですけれども、自然増収を図って、まずは増税なしに税収増を実現させる、それが必要だということです。消費税増税の前にするべき事は、先ほども言いました、行政改革や公務員制度改革や議員達が自らの身を切る事、これは当然の前提として必要です。しかし財政には残念ながらそんなに大きな効果が無いんです。ですから、私たちは増税の前に、政治や行政の姿勢として、行政改革そして政治改革はいたしますけれども、それ以上に必要なのは、デフレからの脱却、経済を成長させることなんです。3月に消費税の税率アップの法案を閣議決定するときには、50時間をかけて閣議決定をしてはいけませんと私たちは言いました。しかし、税収増税法案の中には、景気弾力条項と言いまして、経済成長を名目で3%、実質で2%の経済成長を実現しなければ、消費税の増税はストップするという条項を入れることになりました。しかしながら、この景気弾力条項を、財務省の差し金か自民党は省けと主張しました。昨日の合意ではこの、3%、2%が何とか残っているようですけども、風前の灯だと思います。

私たちが3月の消費税増税法案の閣議決定前に主張したことは、社会保障との一体改革の必要性です。増税をする、増税後にその増えた税金で何をするのか、それは、年金あるいは子ども政策、待機児童対策はじめとして、社会保障の部分をきちんと充実させる必要があるということ。そこで、それまでは「税と社会保障の一体改革」という法案の名前だったんですけど、「社会保障と税の一体改革」に変更はしております。しかしながら、自民と公明との3党の協議の間で、この社会保障改革は落とされてしまいました。社会保障改革は、国民会議という自民党が提案をした会議で、1年間かけてゆっくり協議しましょうとなっています。自民党が協議をしようということは、1年後にはこれが削られる、削除されるということです。

今回の協議の際に、自民党が主張していたのは、私たちが政権交代の際に皆様方に訴えさせて頂きました、最低保障年金、これを撤回しろといいました。それから、後期高齢者医療制度、75歳で線引きして、それから前を前期、それから後を後期高齢者と名付けて、後期高齢者の方々を他の方々と別の保険の会計にしていくという後期高齢者医療制度ですが、国民の多くの皆様から反発を受けました。自民党政権時代に導入した政策です。ですから私たちは、後期高齢者医療制度を廃止することをマニフェストでお約束をしました。そして後期高齢者医療制度廃止法案を国会に提出することになっておりますが、これを撤回をしろと、後期高齢者医療制度の廃止をしないことを約束しろというふうに、自民党は、民主党の交渉の当事者、細川律夫さん、長妻昭さんに突きつけてきたんです。そして彼らは、それではとても党内が持たないということで、とりあえず、国民会議で1年かけて議論をしましょうと言って、先送り・棚上げで昨日は合意が出来ました。しかし、そもそも自民党の主張は、廃止の撤回、マニフェストを否定しろということですから、1年後までに協議をする国民会議でこの廃止が強要されるということは間違いありません。私たちが3月時点で言っていた、社会保障と税の一体改革の一体改革という部分が変えられてしまった。まずは増税を先行しましょう、社会保障は先送り・棚上げをして、ゆくゆくはそれは止めてしまう。こういうことになっているのが、今政府とそして自民党・公明党が合意をした昨日の増税法案の中身なんです。

ですから、私たちは今、民主党の中におりますけれども、何より重いのは、2009年の政権交代選挙の際に、まさに、この場で国民の皆様方に、坂戸市民の皆さん、鶴ヶ島市民の皆さんに、お約束をしたそのことを、徹底して追求していきたい。追求したけれども出来なかったじゃないかと新聞等は書きます。しかし、やり方がまだ充分ではないんです。どんどん徹底的に、徹底的にこの改革をしていく必要がある。まだ任期は1年残っておりますから、私たちはその身を削る努力、デフレからの脱却、そして社会保障との一体改革、等々を実現をする、その為に全力を尽くすべきだというふうに考えております。

私は皆様のお力によって、この地域を代表させて頂いて、衆議院議員を務めさせて頂いておりますけれども、増税の前に3党の密室での談合で決まってしまってはいけませんから、増税の前にもう一回努力をさせて頂きたい、と考えております。昨日の夜、この3党で決まった事ですから、本日お休みのところ、皆様方に大変お騒がせをして恐縮ですけれども、どうしても訴えさせて頂きたい。増税の前にはまず王道を歩むような改革をすること、デフレから脱却をすること、そして社会保障改革に一歩でも、二歩でも突き進むこと、更には、マニフェストでお約束していることを、一つでも二つでも実現をしていきたい。このように考えております。

三党談合増税に反対――消費税(第90回2012年6月15日)

 新聞・テレビで報道されていますように、野田内閣は「先行増税」に突き進んでいます。3月中下旬、民主党議員の大半が参加し、50時間近い徹底討論をした増税法案(それも認めることは出来ませんが)を更に改悪する形で、自民・公明との密室談合が合意されようとしています。

 3月時点の増税法案に私たちが反対している理由は、

1.デフレ下の増税は容認できない。
2.逆進性対策が不十分。
3.社会保障との一体改革になっていない。
4.定数削減・更なる行政改革など増税の前にやるべきことがある。

からですが、今度の三党密室談合で更に不完全になるだけでなく、民主党が掲げてきた理念を撤回するに等しい変節を強要され、あろうことか、野田首相はそれを容認しようとしているのです。

 3月の時点では、「社会保障との一体改革が担保されるなら」と法案に理解を示した中間派の議員たちも、最低保障年金を含む年金制度改革、後期高齢者医療制度の廃止、総合こども園制度による待機児童解消、歳入庁の創設などに象徴される社会保障の充実策が自・公に敵視され否定されるのを知って、「これでは反対せざるを得ない」と態度を変えつつあります。

 やはり、国民の生活が第一。

 日本経済は1990年代から長いデフレが続いています。91年に61兆円あった税収が、今は40兆円に減っています。だからデフレ脱却のための政策が何より優先されるべきなのに、有効な手を打てなかったのが自民党政権です。麻生内閣は予算の見積もりより9兆円の歳入欠陥(税収不足)を起こし、政権交代後の鳩山内閣を苦しめました。

 景気の変動で9兆、10兆円の税収が増減します。政府はまず消費税の3%引き上げで7兆8千億円の増収を見込んでいますが、東日本大震災からの復旧復興のために、復興債の償還を目的とした復興税が課せられます(法人税・所得税の増税)。それに加えて今、消費税増税とは何をか言わんや。増税で景気の停滞を招けば増収は絵に描いた餅ですが、成長戦略で10兆円の税収増をもたらせばこの時期の税率アップは不要になるのです。

 私は三党談合増税に反対しますが、民主党を離れるわけではありません。むしろ民主党の原点に立ち戻り、「国民の生活が第一。」の政策に回帰することを主張しているのです。マニフェストでの約束を出来るだけ守り、自民党から民主党への「政権交代。」で目ざしたものを、もう一度、真摯に追求する活動を続けて参ります。

郵政見直しが実現――郵政民営化法改正(第89回2012年5月1日)

 4月27日、参議院本会議で郵政民営化法改正案が可決成立しました。私たち与党の衆議院議員は、4月12日の本会議でゆきすぎた民営化を見直す改正案に賛成投票していましたし、明治維新以来140年かけて全国に張りめぐらされてきた郵便局ネットワークの解体につながりかねない、小泉内閣による誤った民営化を是正することは当然と考えます。まずは慶賀に値する改革と申せましょう。

 郵政民営化の見直しは2009年の政権交代選挙の成果の一つといえますが、地域の皆さまの中には「民営化=善」という誤解を未だに信じておられる方も皆無ではないでしょう。しかし、小泉民営化がアメリカ政府の指示(年次改革要望書)に基づいた経緯の当否は別にしても、現在の郵政事業は、持株会社の日本郵政の下に、郵便事業会社、郵便局会社、郵便貯金銀行、郵便保険会社を置く5社体制であって、細かすぎる分社化による弊害も多く、国民の利便性の低下だけでなく貯金・保険事業の地域格差や取扱高の減少も起きてしまっています。

 民主党は「郵政改革法案」で日本郵政と郵便事業、郵便局を統合し、その下に「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」を置く「3社化」を提案してきましたが、菅首相の唐突な消費増税発言で参議院の過半数を失ったために実現できませんでした。そこで公明党が提案してきた、郵便事業と局会社の合併を柱とする「4社化」で合意、さらに郵便・貯金・保険の郵政三事業の一体的提供を義務づけるなど「民営化の負の部分の改善」を確保することで妥協いたしました。

 「子ども手当」は「児童手当」として存続

 マニフェストの重要項目だった「子ども手当」も、与野党ねじれ状況になって翻弄され続けた政策でした。政権交代の翌年は公約どおり「中学卒業まで1万3千円」が実現したのに、昨年は月額1万円に減額(3歳未満や第3子以降は1万5千円)されてしまいました。

 今年(2012年度)は、支給額については昨年と同じですが、所得制限を超える世帯に対しては5千円に減額すること、名称を「児童手当」に戻すことが変更になりました。「子ども」が与党の、「児童」が野党の主張する用語になってしまったのは残念ですが、時代が進んで振り返れば、本質とは無関係な対立だったと評されるに違いありません。

 それでも、この議論を経て、子育てを社会全体で支援することへの合意が形成されたのは大きな進歩といえるでしょう。現在の日本社会が直面する「少子化」という難題を、私たちは克服する必要があります。少子化は将来的に働く世代の減少を招き、年金問題を直撃するからです。だからこそ与野党を超えた、社会全体で取り組む課題にしなければなりません。その一歩を、この修正協議で踏み出せたのなら幸いです。

今、なぜ消費税増税に反対するか(第88回2012年4月6日)

 野田内閣は2012年3月30日に、消費税増税法案(正しくは「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」)を閣議決定しました。松崎哲久代議士は3月14日から28日まで、8日にわたり約50時間をついやして行われた法案の事前審査に参加し、「反対」の意見表明をしましたが、唐突かつ強権的な決定に賛同することは出来ず、政策調査会副会長と国土交通部門会議座長の辞表を提出いたしました。

 4月6日現在、この辞表は前原政調会長の預かりとなっていて受理されてはいませんが、以下に、この間の思いについて松崎代議士自身の言葉で説明した記事を収録いたします。

1.民主党埼玉県連定期大会後の10区懇談会の冒頭挨拶(3月25日)

 まだ結論は出ていない3月25日に、さいたま市で開催された「民主党埼玉県連定期大会」の終了後に、約20人の埼玉10区党員の皆さんに集まっていただいた懇談会の際に発言したものです。

2.「プレス民主」号外埼玉10区版231号(4月1日付)

 30日の辞表提出後、選挙区である埼玉10区の支持者・市民・町民の皆さんあてに発行している号外版の1面に掲載したものです。

 

1.松崎代議士挨拶

(埼玉10区党員懇談会、3月25日)

 先程の定期大会は私が実行委員長を務めておりましたので、冒頭にご挨拶をさせて頂きました。私の思いは、その際に述べましたのと同じでありまして、今、民主党政権、及び民主党そのものが大変な危機にあると認識しております。

 消費税を増税する問題で、特にこの3月末の閣議決定予定が党内での大きな課題になっております。昨日(3月24日)の未明、金曜日の5時半から始めて土曜の1時までやっておりましたが、前の週も今週も3日ずつ、平均6時間やりましたので、既に30時間を超える議論をしております。明日月曜日の6時からもう一回入っていますので40時間以上の議論になりますが(3週目は2日で計8日、約50時間)、これがどう決着するのか今のところ未だ分かりません。

 さっきフロアーで消費税増税法案の景気弾力条項、すなわち経済情勢によって見直すための色々な指標を提言された女性の方がいらっしゃいましたけど、残念ながら今、党内の議論は、そもそも数値を書き込むかどうかという、景気弾力条項自体を認めるか認めないかという事を議論しているのです。基本的には実質成長率2%、名目3%という数字を書き込むべしと。達成できなければ、増税は停止、増税しないという主張をする者と、いやいやデフレであれ不景気であれ関係なく、決めたら消費税は上げるという政府やその代弁する者がせめぎ合いをしている状況です。

 ただし、これは新聞とかテレビで報じられているような、低レベルの対立をしているのではありません。残念ながらマスコミは、冒頭の前原さんの挨拶だけで退席してもらって後は議員間で議論をしておりますので、議論の中身は聞いていない。聞いてないから憶測で書く。憶測で書くと、政局やら選挙対策を考えてやっているだろうと思われてしまう。実際はそうではなくて、景気弾力条項を入れたらマーケットにどういう影響があるかとか、その時に名目は3で実質は2だけれども、名目の方が低く実質の方が高い状況が増税しても改善できるのか、等々(3週目は逆進性問題)を議論しています。

 経済の見通しについては内閣府の計量モデルというのがありまして、昔の経済企画庁がそのためのモデルを作ってやっていましたが、経企庁は橋本行政改革の際に廃止されて内閣府の中の一部局になってしまいました。それから迷走を始めるわけでして、結局、内閣府が独立した官庁でない為に政府の、或いは官邸の意向を非常に強く受ける。その結果として、小泉さんの時に竹中さんと組んで新自由主義の経済路線を遂行していくために、このモデルをいじって操作したといわれています。

 ですから、経企庁のモデルというのは、官庁エコノミスト、つまり旧経企庁には優秀なエコノミストが集まって、良いモデルを作っていたと思いますが、内閣府のモデルには問題がある。政府のプロパガンダに使えるようにと、実は先進経済国の、先進的な資本主義経済、自由主義経済の国である日本に発展途上経済型のモデルをあてはめようとしている。この内閣府のモデルを修正した方が良いのではないか、内閣府のモデルを変えた方が良いのではないかと主張する際に、例えば、景気の見通し、経済の見通しについては内閣府だけでなく三菱総研だとか、大和総研だとか、日本経済研究センター、或いは学者のグループの作成しているモデルも参考にして比べてみるべきと言ったのです。

 さらに、旧経企庁のエコノミスト達が今の内閣府の後輩達、自分たちの部下だった官僚達が小泉内閣時代に純粋な経済モデルを政治的なものに変えてしまったことに批判的で、その旧官庁エコノミスト達がデミオスという新しいモデルを作っておりまして、これが非常に良いと私達は思っていますが、内閣府モデルとデミオスの2つだけの比較をするのではなくて、他のモデルも全部出してもらって、その上でこの経済成長の問題を考えたらどうか、そういう提案をしている。

 それが最初の3日間、政府は内閣府モデル以外のモデルを議論の場に出すことを拒否しておりました。それを私が、「我々は野田内閣の与党なのだから内閣府の出しているデータを信用すれば良いと、こういう考え方じゃ駄目だ。今は医者だって病気のセカンドオピニオンを求めるようになっている」と発言して、4日目にようやく出してきて、データを比較しつつ議論が出来るようになりました。

 その結果、やはりおかしいとみんなが分かった。今、何より必要なことは成長戦略、経済を成長させることであって、成長させるためには何をしなくてはならないか、それを先ず考えようと意見が一致しました。前原政調会長の口からも「成長なくして増税なし」という言葉が出た。前原さんはもともと成長戦略論者ですし。

 この議論の中で私は、民主党ってこんなに人材がいるのかと改めて思ったのですが、民主党の1年生議員の中には役所はもちろん、日銀出身の人、都市銀行出身の人、証券会社出身の人、シンクタンク出身の人等がたくさんいまして、それが両方に分かれて議論をしている。これだけ人材がいるのに何故、民主党政権が駄目なのかというと、そういう人材を結局使っていない。政府として使う仕組みができていないからでしょう。

 そういうことをみんな、議論に参加している人達は分かってきていますが、それも大きな成果ではありますが、いずれにしても連日、6日間にわたり120人から160人くらいの議員が参加している。それだけの議員が参加をして議論していることを、今、新聞テレビは迷走しているとか、また決められない民主党と批判しますけれども、これは決めます。必ず決まるのは間違いない。

 3月30日までに増税という閣議決定をするのか、それはしないと決めるのか。いずれかに必ず決まるわけですから。まあ決めないということを決めれば、また決められないと新聞テレビは言うと思いますが。

 そうではなくて、景気にかかわらず2014年の4月1日から増税することが良いのかどうか。我々は消費税は必要な税であり、将来的には税率アップも仕方がないと認めています。しかし、過去の歴史において、景気の後退局面で増税をした例があるのか、成功した例があるのかと、こういう質問を政府に投げかけました。結果として無しです。一回だけ有るんですが、それは失敗したと結論づけられています。イギリスがVATというのを上げたら、景気が後退してしまった。これは失敗例。それから消費税では無くて増税ということで言えば、戦前の歴史の中で色々あります。失敗した例はいっぱいあります。

 大恐慌の不況から回復をする政策に各国が努力しましたが、一番成功したのが日本です。橋是清のことを教科書で読んで頂ければ、とにかく積極的に投資をしてその結果として経済が成長し増収が図られたと書いてあります。これは財務省の官僚もみんな読んでるはずなのに、今は景気の後退局面でも増税しか考えていない。

 我々は経済学にのっとり、市場に聞きながら、そして、歴史に学びながら民主党の中でそういう議論をしているのだということをせめて10区の皆さんにはご理解を頂きたいと思います。

 ただし、にもかかわらず、政府は増税法案の決定をしてしまうでしょう。実は、金曜日の段階で決まると私は思っておりましたが、決まりませんでした。何故決まらなかったかと言えば、その夜中の12時の時点で議論に参加していた議員は反対派の方が役員も含めた賛成派を10人ほど上回っていたから、結論を出せなかったのです。ということで明日の議論がどうなるか分かりませんし、明日は決まらないかもしれない。しかし明後日は決まるだろう、位の所まで来ております。

 私達の非常に熱心な議論における対立は政策論争ですが、消費税に賛成か反対かで対立しているのではありません。消費税は採用せざるを得ない税であることは、みんな了解をしている。それを2014年4月に上げること、それも景気が後退局面であっても上げるという財務省に賛成する人と、景気が上向くことを前提に入れ、本当に上向くならばそこで消費税を上げたとしてもその後の日本経済の打撃はそんなに大きくないので、仕方が無いという人。そこで対立している。

 或いは、今、社会保障との一体改革ということを細川律夫さんが会長になってまとめようとしていますが、社会保障の改革のメニューを政府が決めていないのです。政府の言い分によりますと、あと3週間ぐらいで決まると。だったら、それが出てきてから決めたらどうだという議論をしているわけですが、増税派はとにかく3月末までには、附則104条に書いてあるから決めなければいけない、と言っている。

 所得税法の附則104条というのは政権交代の前に自民党時代に決められたことです。しかも法律の本則ではなく附則に書かれていることを、我々がそれによって手を縛られる必要は無いというのが私達の主張で、決めるのを延ばして十分に検討して、その社会保障が本当に一体改革になっているのならば仕方が無い。

 要するに国民の皆さんに負担だけを求めるのでなくて、「給付の部分についてはこれがあります。でもそれを実現するためにこういうご負担が必要です」と、セットになって提言するならば仕方が無い。そういう一体改革をしますというのが民主党の公約ですから。しかしその給付の部分は決めてない。決めてないけど税だけ先に上げるというのは、やはりおかしいのではないか。とにかく附則に書いてあるから、総理が予算委員会で言ったからの一点張りに対して、私達はそうでは無いのではないかと言っているのです。

 民主党は1998年に結成されて14年間、旧民主党はさらに2年前の96年に結成されていましたので16年の歴史がある。その中で同志と思ってやってきた人達が、今、顔を真っ赤にして、血道を上げるようにして、国民の皆さんに負担を強いる増税をなんとか実現しようという必死になってる姿を見て、本当に悲しい思いがします。「国民の生活が第一。」ということを考えるならば、国民の生活に先ず立脚すべきです。ところが国民を見るのではなくて財務省を見るようなやり方は残念です。私達が同志だと思って埼玉でも他の県でも一緒に十何年間戦ってきた民主党の議員達が、増税、増税、増税という。なぜそんなに言うのか全く理解しがたいと思っております。

 いずれにしても今、民主党政権は大変な状況にあります。ありますけれども、民主党を自分から辞めようと思っている人達は誰一人もいないのでありまして、この抜き差しならない局面にはさしかかっているんですけど、なんとか英知を結集して、乗り越えて、もう一回新しい民主党として、国民の皆さんのご支持を新たにできるチャンスがあれば良いなと、期待していると申し上げて、私のご挨拶にさせて頂きたいと思います。

 

2.消費税増税に反対

(2012年4月1日)

 新聞・テレビで報道されましたように、野田内閣は3月30日午前、消費税増税法案を閣議決定いたしました。私は3月14日から28日まで、約50時間にわたった党内の全会議に出席し、

1.デフレ下の増税は容認できない。
2.逆進性対策が不十分。
3.社会保障との一体改革になっていない。
4.定数削減・更なる行政改革など増税の前にやることがある。

などの理由で、現時点での閣議決定=法案提出に反対の意見を表明していましたが、28日未明、唐突に議論が打ち切られ、一任の名のもとに強引に決定されてしまいました。

 私は政策調査会の副会長をしていますから、同日15時からの「政調役員会」でも再び反対の意見を述べました。しかし、決定は変わりませんでした。

 上記の4つの理由がある「今の時期の増税」は重大なマニフェスト違反です。政調役員として、今後も増税のための政策活動の責任者となることは、議員活動の原点にかかわります。

 したがって、同じ思いの議員たちと行動を共にし、30日19時、前原政調会長あて役職の辞表を提出いたしました。国土交通部門会議の座長としての役割を全う出来ないことへの思いは多々ありますが、やむを得ぬ決断をいたしました。

 やはり、国民の生活が第一。

 日本経済は1990年代から長いデフレが続いています。その脱却のための政策が何より優先されるべきなのに有効な手を打てなかったのが自民党政権で、その失政の結果の税収減で政権交代直後の民主党内閣は苦しみました。

 去年3月の東日本大震災からの復旧復興のために、復興債の償還を目的とした復興税が課せられます(法人税・所得税の増税)。それに加えて消費税増税とは何をか言わんや、なのです。もちろん将来の、経済好転後の税率アップを否定するものではありませんが、庶民の家計を直撃する形の増税には勇気をもって反対しなくてはなりません。

 私は役職を辞しますが、民主党を離党するわけではありません。むしろ民主党の原点に戻り、「国民の生活が第一。」の政策に回帰することを主張しているのです。マニフェストでの約束を出来るだけ守り、自民党から民主党への「政権交代。」で目ざしたものを、もう一度、真摯に追求する活動をして参ります。

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